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【コラムQ&A】ギガ不足?光1ギガ?ギガってなんだ?~GbyteとGbps~

2022/02/14

ギガ不足?光1ギガ?そもそも「ギガ」って何だ?

近頃よく目にするようになった「ギガ不足」や「ギガが足りない」という言葉。ITの普及、とりわけ2010年以降のスマホの本格的な普及により、スマホを使って調べ物、仕事、YOUTUBEやネットフリックスといった動画視聴など、私たちの生活にスマホはもはや必需品となった結果、契約しているスマホの通信容量はガラケー時代とは比較にならないほど消費するようになりました。

 しかもここ数年、携帯会社のCMを見ていると、契約しているスマホの規定の通信量をオーバーしたため、スマホの通信速度が低速化しスマホが使いづらくなることを状況を「ギガ不足」や「ギガが足りない」と表現しているのを見た方も多いのではないでしょうか。

同じギガでも単位が違う~GbyteとGbps~

 この「ギガ」という言葉ですが、「ギガ不足」や「ギガが足りない」といった表現が一般層に浸透する前では弊社のようなケーブルテレビや光を販売している通信事業的には、「一ヶ月間あたりにどれだけインターネット通信できるか」という「通信の容量(○○Gbyte)」の意味より、「1秒間あたりにどれだけの速さでインターネット通信できるか」、つまり「通信の速度(○○Gbps)」という意味で使用することが多かったんですね。

 一般的な家庭で導入されていたネット回線を振り返ると90年代末はISDN、2000年前後はADSL、2000年半ば以降は光ファイバーなど通信技術の進化により、1秒間あたりにできる通信速度が文字通り桁違いに速くなっていきました。電話回線を使用してインターネット通信を行うISDNの通信速度は64Kbps、ADSLになると1~50Mbps、光ファイバーになると100Mbps、現在ではだいたい1Gbpsと速くなり、ISDNと一般的な光の理論値を比較すると10年ちょいで約1万5千倍も速くなりました。

byteとbpsのおさらい

 ここで単位についておさらいをしましょう。
 ややこしいですが、最初に話していた「ギガ不足」などの通信容量の単位は「byte」で、読み方は「バイト」。「1byte」が「1024byte」になると単位が繰り上がり「1Kbyte(1024byte)」になり、読み方は「キロバイト」。
同じように「1024Kbyte」が「1Mbyte(1024Kbyte)で読みが「メガバイト」。
続いて「1024Mbyte」が「1Gbyte(1024Mbyte)」で「ギガバイト」。
これ以上になっていくとパソコンやレコーダーなどのHDDなどでよく目にするのが「Tbyte」で「テラバイト」。
ちなみにこれ以上になってくると「Pbyte」で「ペタバイト」となり、このレベルになってくると法人や業務向けの玄人な単位になっていきます。
ここでは「K/M/Gbyte」と表記していますが、一般的な略称としては「1GB(いちギガバイト)」や「100TB(ひゃくテラバイト)」というように表記されます。

実際にbyteとbpsの具体例を見てみよう

 例えば、携帯ショップでスマホを契約する際に決めることの一つに、一ヶ月間でどのくらい高速通信できるプランを契約するのか、つまり、契約キャリアの通信で○○Gbyte(ギガバイト)まで使用できるのかという点です。
スマホで契約キャリアの通信を使用しない人は消費ギガバイト数が少ないので月額料金が安く、逆に多用する人は利用料が高くなっていきます。
筆者が大学生のとき、スマホをどうしても使いたくて契約をした2008年ごろは、今のような契約通信容量のバリエーションはなく、筆者が契約していたキャリアは月あたり7Gbyte(7GB)のプランしかありませんでしたが、当時は今ほどYOUTUBEなど動画サイトはあまり流行っておらず、ブログなどの文章や画像をベースにしたウェブサイトが多かったために契約の7Gbyte(7GB)を消化することはありませんでした。

今も昔も通信事業者は速度との闘い

 その時代では、弊社含む通信事業者的には「メガ」や「ギガ」といったら、どちらかというと通信の速度を意味する「○○Mbps」や「○○Gbps」を指してました。実際のところ、当時は「Gbps」レベルのサービスはありませんでしたが、一般家庭のブロードバンド普及黎明期から現在に至るまで「1秒間にどれだけ速度を出せるのか」を各社競っています。
この1秒間あたりの通信速度の単位が「bps」で、読み方は「ビーピーエス」と言い、先程の通信容量の単位「byte」と同じように、
bps→Kbps→Mbps→Gbps~となっていきます。

あたなはどっちのギガなのか分かりますか?

 容量の「byte」も速度の「bps」も両方ともメガやギガの単語が頭に付き、読み方も長いせいなのか、多くの人はメガやギガに続く「byte(バイト)」や「bps(ビーピーエス)」までキチンと言いません。
「奮発しちゃってiPhoneの256ギガ買っちゃった!」と言われれば、スマホの端末で使われるギガはどれだけ保存をできるかという意味で使用されるのため、容量(byte)を指し、「オンラインのFPSゲームするなら最低1ギガの有線環境は欲しい」と言われれば、ネットゲームするにあたり安定した高速ネット回線が求められるため、ここでのギガは通信速度(bps)を指します。
会話や文章の文脈からどちらの意味のギガなのか感覚的に瞬時に判断しているのがIT世代の特有のスキルと言えます。

実際のところギガの判別ができるのは少数派

 日常的に、この問われているギガを瞬時に判断できるのは少数派で多くの人は分からないのが現状です。高齢だから分からず、若いから分かるということではありません。弊社の戸建て向けのネットサービスは、光1Gbps、光300Mbps、光50Mbpsと3つの速度に分けて販売していますが、若い方への営業時に「1ギガプランは月に1ギガ使ったら遅くなるんですか?」とお客様から言われることがたまにあります。
戸建てにネット回線を導入するのが当たり前の世代からすると、固定の高速ネット回線は使いたい放題だから、契約しているスマホの通信量(Gbyte/GB)を減らしてスマホの料金を下げようとしますが、固定回線を契約せず、スマホしか使用しない人からすると、通信速度と聞くと、スマホの通信速度が規制されて低速状態・されていない高速状態を連想する人が多いので、その手の人達は「ギガ」という言葉を見ると通信容量の「byte/GB」を考えてしまうようです。

その逆も然り

 インターネットはスマホではなく固定回線を入れてパソコンでしか使用しない世代からすると、逆にスマホでネットを使いすぎて速度が遅くなるという若い方のような考えがあまりないためか、通信事業者の言うメガやギガはどちらかというと速度を連想する人が多いような感じがします。
「光回線=ネット通信が速い」ぐらいの超漠然としたイメージがあるようで、10年前の低スペックで動きがモッサリしているパソコンに光回線を導入すればパソコンはキビキビ動くと思っている、今まで話してきたものとは別の勘違いをしている方もいたりします。
ただ近年のCMの影響か、高齢の方もギガという言葉を見ると月あたりの通信容量を連想する人も増えており、ますますギガの意味を混同していく時代になってきています。

「ギガが足りない」というCMの衝撃

 弊社で光インターネットが始まったのが2013年、当時では珍しい1Gbpsのネット回線を販売し、翌年の2014年にはNTT東日本さんから同じく1Gbpsの提供が始まり、現在では通信事業者によっては2Gbpsや10Gbpsのサービスもあります。
NTT東日本さんが光1Gbpsを開始したときは業界的には、通信速度がついにメガからギガになり凄い時代になったもんだと盛り上がっていましたが、実際のところ通信速度は一定の数値から体感しづらく違いが分かりません。

そんな折に、キャッチーなCMでの「ギガが足りない」という衝撃。
それまで通信事業社は速度の「Gbps」と容量「Gbyte」をキッチリ分けた上で、速さを売りにサービスを販売していましたが、良くも悪くも近年のCMの関係で、世間一般ではこの手のサービスにおける「ギガ」は容量と認知されていったわけです。

 さて、皆さんは通信速度の「Gbps」と通信容量の「Gbyte」、2つのギガの違いがキチンと分かるようになりましたか?テレビで白いワンちゃんが出ているCMを見たら、ギガは通信容量のGbyteだけではなく、速度のGbpsもいることをたまにでもいいから思い出してあげてください。